二次関数の学習において、頂点から式を求めるのは基本中の基本となります。
大学入試や共通テストでは必ずと言ってもいいほどよく使う手法なので、必ずマスターしましょう。
本記事では早稲田大学教育学部数学科を卒業した筆者が二次関数で頂点から式を求める方法をわかりやすく解説します。
数学が苦手な人でも理解できるように解説しているので、ぜひ参考にしてください。
二次関数で頂点から式を求める方法
二次関数で頂点から式を求めるためには、頂点の座標とその二次関数が頂点以外に通る点の合計2つの情報が必要です。
頂点の座標のみから二次関数の式を求めることは不可能なのでご注意ください。
例えば「頂点(1、2)を通る二次関数の式を求めよ」という問題があったとき、答えはy=x2+1やy=2x2など無数に存在してしまいます。
なので、頂点以外のもう1つの座標の情報が必ず必要となります。
以上を踏まえた上で、頂点から式を求める例題を1つ解いてみましょう。
【例題】
頂点(2、6)と点(1、9)を通る二次関数の式を求めよ。
【解答&解説】
二次関数の頂点から式を求める問題では、まずは頂点の情報をもとにして式を立てることが重要です。
今回の場合、頂点が(2、6)なので求める二次関数の式はy=a(x-2)2+6とおけますね。
※頂点が(p、q)の二次関数はy=a(x-p)2+qで表せるのでした。詳しくは二次関数の頂点について解説した記事をご覧ください。
y=a(x-2)2+6が(1、9)を通るので、x=1、y=9を代入して、
9=a(1-2)2+6より、9=a+6となるのでa=3が求まります。
したがって、求める二次関数の式はy=3(x-2)2+6・・・(答)となります。
y=3(x-2)2+6を展開してy=3x2-12x+18としても問題ありませんが、平方完成された形は数学的に綺麗な形とされているので、わざわざ展開する必要はありません。
※平方完成のやり方について解説した記事もご用意しているので、ぜひ参考にしてください。
以上が頂点から式を求める手順となります。二次関数の学習の中でもかなり重要な手順となるので、必ずできるようにしておきましょう。
【二次関数】頂点から式を求める練習問題
最後に、頂点から式を求める練習問題をご用意しました。
多くの問題を解いて、頂点から式を求める方法を頭に染み込ませることが重要です。
【練習問題】
(1)頂点が(5、2)で点(1、-14)を通る二次関数の式を求めよ。
(2)頂点が(-2、1)で点(3、26)を通る二次関数の式を求めよ。
(3)頂点が(-3、5)で点(3、-67)を通る二次関数の式を求めよ。
(4)頂点が(1、3)で点(2、9)を通る二次関数の式を求めよ。
(5)頂点が(0、5)で点(1、10)を通る二次関数の式を求めよ。
【解答&解説】
(1)頂点が(5、2)であることから、求める二次関数の式はy=a(x-5)2+2とおくことができます。
これが(1、-14)を通るので、-14=a(1-5)2+2より、a=-1となります。
よって求める二次関数の式はy=-(x-5)2+2・・・(答)となります。
(2)頂点が(-2、1)より、求める二次関数の式をy=a(x+2)2+1とおきます。
26=a(3+2)2+1より、a=1となるので、y=(x+2)2+1・・・(答)となります。
(3)頂点が(-3、5)より、求める二次関数の式をy=a(x+3)2+5とおきます。
-67=a(3+3)2+5より、a=-2なのでy=-2(a+3)2+5・・・(答)となります。
(4)頂点が(1、3)より、求める二次関数の式をy=a(x-1)2+3とおきます。
9=a(2-1)2+3より、a=6となるのでy=6(x-1)2+3・・・(答)となります。
(5)頂点が(0、5)より、求める二次関数の式をy=a(x-0)2+5=ax2+5とおきます。
10=a×12+5より、a=5となるのでy=5x2+5・・・(答)となります。
いかがでしたか?
今回は二次関数で頂点から式を求める方法を解説しました。
頂点とのその他の点の合計2点があれば二次関数の式は求めることができるということを必ず覚えておきましょう。
二次関数の式の決定は今回ご紹介したパターン以外にも3つあります。詳しく知りたい人は二次関数の決定4パターンについて解説した記事もぜひご覧ください。