結論から言うと、tan0度=0です。では、なぜtan0度=0になるかを説明できますでしょうか?
tanは定義されていない(=計算不可)な場合もあるので求めるのに注意が必要な三角比です。
そこで今回は早稲田大学教育学部数学科を卒業した筆者がtan0度=0になる理由をわかりやすく解説していきます。数学・三角関数が苦手な人はぜひ参考にしてください。
tan0度の求め方
tan30度の求め方について解説した記事をご覧いただくとわかりますが、tanθの値を求めるには自分で図形を書いてみるという方法があります。
しかし、tan0度の場合、0度の図形を書くことができません。
そして、tanに関してはtan90度=計算(定義)不可となるケースもあるため、tan0度の値はそもそも計算できるのかどうか悩んでしまう人も多いでしょう。
※tan90度はなぜ値がないかについて解説した記事もぜひ合わせてご覧ください。
なので、tan0度やtan90度、tan180度など値が存在するかどうか怪しいものに関してはtanθ=sinθ/cosθの公式を使ってtanθの値を求めるのが確実&安全なのでおすすめです。
※tanθ=sinθ/cosθがわからない人は三角比の関係式・相互関係について解説した記事をご覧ください。
今回はtan0度を求めるので、tan0度=sin0度/cos0度となります。
なので、まずはsin0度とcos0度の値を単位円を使って求めてみましょう。
単位円上に点P(x、y)を以下のように取ると、sinθ=y、cosθ=xが成り立つのでした。
※詳しくはsin90度が1なのはなぜかについて解説した記事をご覧ください。
今回はθ=0度なので、θ=0度を単位円上に取りましょう。
すると、点Pの座標は(1、0)となりますね。
したがって、sin0度=0、cos0度=1となります。
※詳しくはsin0度とcos0度の値について解説した記事をご覧ください。
よって、tan0度=sin0度/cos0度=0/1=0が求まります。
分数において分子=0の場合、その分数は0となります。しかし、分母=0は計算不可となりますのでご注意ください。高校数学においては分母=0はあり得ません。
tan0度の値を三角比の表で確認しよう
以上でtan0度=0を求めることができましたが、念のためtan0度の値を三角比の表で確認しておきましょう。以下の赤枠の箇所になりますね。
※三角比の表の見方がわからない人は三角比の表の見方について解説した記事をご覧ください。
確かにtan0度=0になっていることが確認できます。
tan0度=0は暗記してももちろんOKですが、いつでも自力で求められるようにはしておきましょう。
いかがでしたか?
今回はtan0度=0になる理由について解説しました。tanθ=sinθ/cosθは大学入試や共通テストでも頻出の重要公式です。必ず暗記しておいてください。