二次不等式の応用問題の解き方&必ず解いておくべき問題4選!

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二次不等式の基礎問題は解けるけど、応用問題になると解くのが難しくなるという人も多いのではないでしょうか?

後ほど詳しく解説しますが、二次不等式の応用問題を解くためには二次不等式の公式を覚えておくのはもちろんのこと、なぜその公式が成り立つのか?を理解しておくことが重要です。

そこで今回は早稲田大学教育学部数学科を卒業した筆者が二次不等式の応用問題の解き方と必ず解いておくべき応用問題を4つご紹介します。

もちろん解答&解説も記載しているので、ぜひチャレンジしてみてください。

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二次不等式の応用問題の解き方

冒頭でも解説した通り、二次不等式の応用問題を解くためには二次不等式の基礎的知識の理解が必須となります。

二次不等式の解5パターンについて解説した記事に記載している二次不等式の公式は必ず覚えておきましょう。

また、ただ単に公式を覚えるだけでなく「なぜその公式が成り立つのか?」をしっかりと理解することも心がけてください。

二次不等式の基礎知識を理解した後は、二次不等式の公式および判別式の使い分け・見分け方の訓練を積んでいきましょう。

※詳しくは二次不等式の解き方を簡単に解説した記事をご覧ください。

その後は二次不等式の場合分けの学習を進めてください。二次不等式では場合分けが必要な問題が大学入試や共通テストで頻出となります。

※詳しくは二次不等式の場合分けについて例題で解説した記事をご覧ください。

ここまでできれば二次不等式の基礎は完璧です。後はたくさんの応用問題を解いていくのみです。

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二次不等式の応用問題その1

ここからは二次不等式の応用問題をご紹介していきます。ぜひチャレンジしてください。

【応用問題1】

二次不等式4x2+ax+b<0の解が1<x<5/4であるとき、二次不等式bx2+ax+4≧0の解を求めよ。

【解答&解説】

二次不等式4x2+ax+b<0の解が1<x<5/4ということは、4x2+ax+bを因数分解すると(x-1)(x-5/4)になるということですね。

(x-1)(x-5/4)<0の左辺を展開して、x2-9/4x+5/4<0となるので、両辺に4をかけて4x2-9x+5<0とします。

4x2+ax+b<0と見比べて、a=-9、b=5となることがわかります。

よって二次不等式bx2+ax+4≧0は5x2-9x+4≧0となります。

5x2-9x+4を因数分解すると(5x-4)(x-1)となるので、(5x-4)(x-1)≧0より、x≦4/5、1≦x・・・(答)となります。

※因数分解のやり方がわからない人は数学1の因数分解について解説した記事をご覧ください。

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二次不等式の応用問題その2

2つ目の問題となります。

【応用問題2】

二次不等式x2-(a+3)x+3a<0を満たす整数xがちょうど2個だけあるように、定数aの値の範囲を定めなさい。

【解答&解説】

二次不等式の左辺を因数分解すると(x-a)(x-3)<0・・・①となりますね。

a=3を境目として場合分けを行いましょう。

[1]a<3のとき

①の解はa<x<3となり、これを満たす整数xがちょうど2個あるとき、その整数x=1、2となるので0≦a<1となります。

[2]a=3のとき

①は(x-3)2<0となるので、解なしとなります。よって条件を満たしません。

二次不等式で解なしとなる4つのケースをご紹介した記事もご用意しているので、ぜひ参考にしてください。

[3]a>3のとき

①の解は3<x<aとなり、これを満たす整数xがちょうど2個あるとき、その整数x=4、5となるので5<a≦6となります。

以上[1]〜[3]より、求めるaの値の範囲は0≦a<1、5<a≦6・・・(答)となります。

二次不等式の応用問題その3

続いては3つ目の問題となります。

【応用問題3】

不等式x2-5x+4≦0を満たすすべてのxに対して、不等式x2+2ax+3≧0を満たすように、定数aの値の範囲を定めよ。

【解答&解説】

まずは不等式x2-5x+4≦0を解きましょう。(x-1)(x-4)≦0より1≦x≦4となりますね。

f(x)=x2+2ax+3とすると、f(x)=(x+a)2-a2+3となります(平方完成)

平方完成のやり方について解説した記事もご用意しているので、ぜひ参考にしてください。

よって、f(x)は下に凸で軸がx=-aのグラフとなります。

1≦x≦4においてf(x)≧0となるためには、f(x)の軸の位置に注目して場合分けを行います。

[1]-a<1、つまりa>-1のとき

f(a)=2a+4≧0よりa≧-2となるので、a>-1

[2]1≦-a≦4、つまり-4≦a≦-1のとき

f(-a)=-a2+3≧0より-√3≦a≦√3となるので、-√3≦a≦-1

[3]4<-a、つまりa<-4のとき

f(4)=8a+19≧0よりa≧-19/8

a<-4を満たさないので不適となります。

以上[1]〜[3]より、a≧-√3・・・(答)となります。

二次不等式の応用問題その4

いよいよ最後となる4問目の問題です。

【応用問題4】

不等式ax2+y2+az2-xy-yz-zx≧0が任意の実数x、y、zに対して成り立つような定数aの値の範囲を定めよ。

【解答&解説】

与えられた不等式をyについて整理してみましょう。

y2-(z+x)y+a(z2+x2)-zx≧0となりますね。

これが任意の実数yに対して(=全ての実数yに対して)常に成り立つための条件は、yについての二次方程式y2-(z+x)y+a(z2+x2)-zx=0の判別式をD1とすると、y2の係数が正であることから、D1≦0

つまり、(z+x)2-4{a(z2+x2)-zx}≦0となります。

※判別式がわからない人は二次方程式の判別式とは何かについて解説した記事をご覧ください。

以上をzについて整理すると、

(1-4a)z2+6xz+(1-4a)x2≦0・・・①となりますね。

1-4a=0のとき、①は6xz≦0となりますが、これは例えばx=1、z=1のとき成り立たないので不適となります。

1-4a≠0のとき、zの方程式(1-4a)z2+6xz+(1-4a)x2=0の判別式をD2とすると、①が任意の実数zに対して常に成り立つための条件は、1-4a<0かつD2≦0となりますね。

※詳しくは二次不等式の全ての実数とは何かについて解説した記事をご覧ください。

1-4a<0より、a>1/4が導けます。

また、D2/4=(3x)2-(1-4a)(1-4a)x2=8(1-a)(1+2a)x2となります。

D2≦0より、(1-a)(1+2a)x2≦0・・・②となります。

②が任意の実数xに対して常に成り立つための条件は、

(1-a)(1+2a)≦0、すなわち(a-1)(2a+1)≧0より、a≦1/2、1≦aとなります。

これとa>1/4の共通範囲を求めて、答えはa≧1・・・(答)となります。

※共通範囲の求め方がわからない人は一次不等式とは何かについて解説した記事をご覧ください。

いかがでしたか?今回は二次不等式の応用問題の解き方と応用問題を4つご紹介しました。

繰り返しにはなりますが、二次不等式に限らず大切なのは基礎の理解です。応用問題も大事ですが、まずは基礎をしっかりと固めることを意識してください。

本記事の執筆者
アツシ

早稲田大学教育学部数学科を卒業しており、数学に関して深い知見があります。大学生時代は家庭教師や塾講師のアルバイトで高校生に数学を教えていたため、数学をわかりやすく解説することには自信があります。

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