三角比を学習していると、教科書や参考書に30°や45°、60°など代表的な角度のsin、cos、tanの値が表になっているケースがあるかと思います。
三角比を学習し始めたばかりの人は「三角比の表って暗記しないといけないのかな?」と思う人もいるのではないでしょうか?
しかし、三角比の表は暗記不要です。なので、覚え方を覚える必要もありません。
本記事では早稲田大学教育学部数学科を卒業した筆者が三角比の表は暗記不要な理由について解説していきます。
また、30°や45°、60°など代表的な角度以外の角度も掲載された三角比の表の使い方も解説していきます。
三角比の表は暗記不要な理由
数学の教科書や参考書には、以下のように30°や45°、60°など代表的な角度の三角比(sin・cos・tan)の値が表として掲載されている場合もあります。
0° | 30° | 45° | 60° | 90° | |
---|---|---|---|---|---|
sin | 0 | 1/2 | 1/√2 | √3/2 | 1 |
cos | 1 | √3/2 | 1/√2 | 1/2 | 0 |
tan | 0 | 1/√3 | 1 | √3 | なし |
※sin90度が1なのはなぜかについて解説した記事もご用意しているのでぜひご覧ください。
しかし、冒頭でも述べた通り三角比の表は暗記不要です。なので、表の覚え方などを学習する必要もありません。
三角比の表が暗記不要な理由ですが、三角比ではsin・cos・tanの値を暗記することが重要なのではなく、sin・cos・tanの値を自力で求めることが一番重要だからです。
代表的な角度(30°や45°、60°など)の三角比(sin・cos・tan)は表がなくてもいつでも自力で求められるようにしておかなければなりません。
※三角比の求め方について解説した記事もぜひ参考にしてください。
そして、これから三角比をより深く学習していくにあたって30°や45°、60°などの代表的な角度の三角比を使用する場面はかなり多く登場します。無理に三角比の表を暗記しなくても自然に覚えているようになります。
また、三角比に慣れてくると、三角比の表を暗記していなくても頭の中で暗算のように代用的な角度の三角比は求められるようになるのでご安心ください。
今はまだ三角比を習いたてで「表を暗記しないと」という不安がある人も多いかもしれませんが、上記の理由から三角比の表は暗記不要です。自力で三角比の値を求めることが一番重要であるということをしっかりと意識しておいてください。
三角比の表の見方
「三角比の表」というと30°や45°、60°などの代表的な角度だけが掲載されているのをイメージする人もいますが、以下のように14°や36°、82°など自力で三角比(sin・cos・tan)の値を求めるのが不可能な値が掲載された表もあります。
数学の教科書や参考書では以上のような三角比の表を活用して、自力で求めるのが不可能な三角比(sin・cos・tan)の値を求めさせる問題もあったりしますので、以上の三角比の表の見方を解説しておきます。
表の見方は簡単です。例えば、sin43°の値を求めてみましょう。
まずは「角」の列から43を探します。そして、今回はsin43°を求めるので、正弦(sin)列を参照します。つまり、三角比の表でいうと以下の赤枠の場所になります。
よって、sin43°=0.6820となります。ちなみに、三角比の表よりcos43°=0.7314、tan43°=0.9325となります。
以上が三角比の表の見方となります。表を暗記する必要はもちろんありませんが、見方・使い方は理解しておきましょう。
三角比の表を使った練習問題
最後に、三角比の表を使った練習問題をご用意しました。三角比の表を使う練習と思って解いてみましょう。
【問題】
上記で紹介した三角比の表を利用して、以下の直角三角形におけるxとyの値を求めよ。ただし、小数第2位を四捨五入して答えること。
【解答&解説】
cos28°=x/9ですね。ここで、三角比の表よりcos28°=0.8829であることがわかります(以下参照)
よって、x=cos28°×9=0.8829×9=7.9461より少数第2位を四捨五入してx=7.9・・・(答)となります。
また、sin28°=y/9であり、三角比の表よりsin28°=0.4695であることがわかります(以下参照)
よって、y=sin28°×9=0.4695×9=4.2255より少数第2位を四捨五入してy=4.2・・・(答)となります。
いかがでしたか?今回は三角比の表は暗記不要な理由について解説した後、三角比の表の見方について解説しました。
繰り返しにはなりますが、代表的な角度の三角比(sin・cos・tan)は暗記ではなく、必ず自力で求められるようにしておきましょう。
※sin30度が1/2になる理由について解説した記事もご用意しているので、ぜひ参考にしてください。