積の法則と和の法則とは?わかりやすく見分け方も解説

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高校数学における数学Aの場合の数では積の法則と和の法則が登場します。

しかし、数学が苦手な高校生の中には積の法則と和の法則の見分け方を理解できていない人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は早稲田大学教育学部数学科を卒業した筆者が積の法則と和の法則とは何かについて解説した後、積の法則と和の法則の見分け方もわかりやすく解説していきます。

例題を適宜使いながら解説しているので、イメージがわきやすい内容になっているかと思います。ぜひ最後までお読みください。

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積の法則と和の法則とは?例題でわかりやすく解説

まずは積の法則とは何かについて解説します。

事柄Aの起こり方がa通りあり、そのおのおのの場合についてBの起こり方がb通りあるとき、AとBがともに起こる場合の数はab通りとなることを積の法則といいます。

例題として2桁の整数は何個あるかを積の法則を使って求めてみましょう。

まず、十の位の数字は1〜9の9通りありますね。

そして、そのおのおのに対して一の位の数字は0〜9の10通りありますね。

したがって、2桁の整数は9×10=90[個]存在することがわかります。

実際に2桁の整数は10〜99までなので、99-10+1で確かに90個存在していることが確認できます。

一方で、和の法則ですが、和の法則では2つの事柄AとBは同時には起こらないとします。

Aの起こり方がa通りあり、Bの起こり方がb通りあるとすると、AまたはBのどちらかが起こる場合の数はa+b通りとなることを和の法則といいます。

例題として、大小2つのサイコロを投げるとき、出る目の和が5の倍数になるのは何通りあるかを考えてみましょう。

目の和が5の倍数になるのは目の和=5または10のときですね。

※サイコロの目は1〜6なので、目の和は最大でも6+6=12です。

[1]目の和が5となる場合

(大・小)=(1、4)(2、3)(3、2)(4、1)

の4通り

[2]目の和が10となる場合

(大・小)=(4、6)(5、5)(6、4)

の3通り

[1]と[2]の場合は同時には起こらないので、求める場合の数は和の法則によって4+3=7通りとなります。

サイコロの確率の計算について詳しく解説した記事もぜひ合わせてご覧ください。

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積の法則と和の法則の見分け方

ここからは積の法則と和の法則の見分け方について解説します。

上記でも解説した通り、

  • 積の法則=同時に起こる
  • 和の法則=同時には起こらない

がポイントとなります。

先ほど2桁の整数は何個あるかを積の法則を使って求めましたが、

  • 十の位の数=9通り
  • 一の位の数=10通り

であり、十の位の数と一の位の数両方が揃って2桁の整数が出来上がるので、十の位の数と一の位の数は常に同時に起こる(=同時に存在する)必要があります。なので、積の法則を使ったのです。

一方で先ほど、大小2つのサイコロを投げて出る目の和が5の倍数になるのは何通りあるかを和の法則で求めましたが、

  • [1]出る目の和が5=4通り
  • [2]出る目の和が10=3通り

となっており、[1]と[2]が同時に起こることはありませんよね。

大小のサイコロ2個を投げて、出る目の和が5を保ちつつ出る目の和を10にすることはどう考えても物理的に不可能なわけです。なので、和の法則を使いました。

2つ(以上)の事柄が同時に起こるのか起こらないのかを考えて、積の法則と和の法則の見分けを行いましょう。

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積の法則と和の法則の練習問題

最後に積の法則と和の法則の練習問題を用意しました。

積の法則・和の法則どちらを使うべきなのかを見分ける練習をしていきましょう。

【練習問題】

(1)3人がじゃんけんを1回するとき、その出し方は何通りあるか。

(2)大小2つのサイコロの目の和が8となる場合は何通りあるか。また、2個のサイコロが同じ大きさで区別できなときは何通りあるか。

(3)(a+b+c)(p+q+r)(x+y)を展開すると、異なる項は何個できるか。

【解答&解説】

(1)じゃんけんで出す手はグー、チョキ、パーの3つですね。

3人がそれぞれ3つの出し方があるので、積の法則より3×3×3=27[通り]・・・(答)となります。

(2)2個のサイコロを大小で区別するとき、目の和が8になるのは

(大、小)=(2、6)(3、5)(4、4)(5、3)(6、2)の5通り・・・(答)となります。

また、2個のサイコロを区別しないとき、目の和が8になるのは

  • 2と6
  • 3と5
  • 4と4

3通り・・・(答)となります。

(3)(a+b+c)(p+q+r)(x+y)を展開してできる項は、

(a、b、c)、(p、q、r)、(x、y)

からそれぞれ1つずつ文字を取り出して掛け合わせて作られますね。

よって、異なる項の個数は積の法則より3×3×2=18[個]・・・(答)となります。

※「項」がわからない人は多項式の定義・項とは何かについて解説した記事をご覧ください。

いかがでしたか?

今回は積の法則と和の法則とは何か・積の法則と和の法則の見分け方について解説しました。

積の法則と和の法則に慣れるにはたくさんの問題を解くのが一番手っ取り早いです。ぜひ教科書や参考書、問題集などを活用してたくさんの問題を解いていってください。

本記事の執筆者
アツシ

早稲田大学教育学部数学科を卒業しており、数学に関して深い知見があります。大学生時代は家庭教師や塾講師のアルバイトで高校生に数学を教えていたため、数学をわかりやすく解説することには自信があります。

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