反復試行の確率とは?見分け方や公式をわかりやすく解説

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今回は数学Aの確率で登場する反復試行について解説していきます。

反復試行を理解するには独立な試行とは何かについてしっかり理解する必要があります。

大学入試や共通テストで出題される確率の問題を解くには、反復試行・独立な試行の知識は必須となりますので必ず対策しておきましょう。

本記事では早稲田大学教育学部数学科を卒業した筆者が反復試行の確率とは何かについて解説した後、反復試行の見分け方や公式についても解説します。

数学や確率が苦手な人でも理解できるようにわかりやすく解説しているので、ぜひ最後までお読みください。

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反復試行の確率とは?

冒頭でも解説した通り、反復試行とは何かを理解するには独立な試行とは何かについて理解する必要があります。

独立な試行がわからない人は独立な試行とは何かについて解説した記事をご用意しているので、そちらをご覧ください。

例えば「1枚のコインを続けて投げる」のように、同じ条件のもとで同じ試行を何回か繰り返すとき、各回の試行は独立ですね。このように、独立な試行の繰り返しのことを反復試行といいます。

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反復試行の確率の公式

ここからは反復試行の確率の公式をご紹介していきます。

1回の試行で事象Aが起こる確率をpとし、この試行をn回繰り返すとき、事象Aがr回起こる確率は、

nCr・pr・(1-r)n-r

となります(ただし、r=0、1、2・・・nとする)

上記の公式が成り立つ証明ですが、Aが起こることを◯、起こらないことを×で表現するとき、例えば、

◯◯×◯・・・×◯(◯はn個中r個、×はn-r個とする)となる確率=pr・(1-p)n-rですね。

そして、◯がn回中r回起こる場合の数は、n個の位置から◯のr個を選ぶnCr[通り]あり、それらは互いに排反なので、求める確率はnCr・pr・(1-p)n-rとなります。

※互いに排反の意味がわからない人は積事象・和事象とは何かについて解説した記事をご覧ください。

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反復試行の確率の例題と見分け方

以上で反復試行の確率の公式をご紹介しましたが、さすがにこれだけでは反復試行の確率の理解ができないので、ここからは実際に例題を1問解いてみましょう。

【例題】

サイコロを4回投げるとき、素数の目が3回出る確率を求めよ。

【解答&解説】

「サイコロを投げる」という試行を4回繰り返すので、反復試行となります。

サイコロを1回投げて、素数(=1、3、5)の目が出る確率は3/6ですね。

よって、素数以外の目が出る確率は1-3/6=3/6です。

よって、反復試行の公式より求める確率は

4C3・(3/6)3・(3/6)1=4・(1/2)41/4・・・(答)となります。

4C3は4回中素数の目が3回出ることを表しており、(3/6)3は素数の目が3回出ることを表しています。(3/6)1は素数以外の目が1回出ることを表しています。

素数とは何かについて解説した記事もぜひ参考にしてください。

確率の問題が出題されたとき、その問題が反復試行を利用する問題かどうかを見分ける方法は、しっかりと反復試行の定義に立ち返ることです。

「少なくとも」などの言葉が問題文に含まれていたら余事象を使うといったように、反復試行に関してはわかりやすく見分け方はありません。

余事象とは何かについて解説した記事もご用意しているので、ぜひ合わせてご覧ください。

上記でも解説した通り、反復試行は独立な試行の繰り返しです。問題文に記載されている内容が同じことを繰り返し行うかどうか?をしっかりと確認しましょう。

サイコロの確率の計算・求め方について詳しく解説した記事もご用意しているので、ぜひご覧ください。

反復試行の確率の練習問題

ここからは反復試行の確率の練習問題をご紹介していきます。

以上で学習した反復試行の公式を覚える訓練だと思って解いていきましょう。

【練習問題】

(1)1枚のコインを7回投げるとき、表が5回以上出る確率を求めよ。

(2)2つのサッカーチームAとBがあり、AのBに対する勝率は0.4である。AとBが3連戦を行うとき、Aが1勝2負となる確率を求めよ。ただし、すべての試合において引き分けはないものとする。

(3)数直線上を動く点Pがあり、点Pは原点からスタートするものとする。コインを投げて表が出たら正の方向へ1だけ進み、裏が出たら負の方向へ1だけ進む。コインを6回投げたとき、点Pが原点にある確率を求めよ。

【解答&解説】

(1)1回の試行で表が出る確率は1/2です。

[1]7回投げてちょうど5回表が出る確率

7C5・(1/2)5・(1-1/2)2=21/128

[2]7回投げてちょうど7回表が出る確率

7C6・(1/2)6・(1-1/2)1=7/128

[3]7回投げて7回すべて表が出る確率

(1/2)7=1/128

[1]・[2]・[3]は互いに排反なので、求める確率は21/128+7/128+1/128=29/128・・・(答)となります。

コインに関する確率の計算について詳しく解説した記事もぜひ合わせてご覧ください。

(2)1回の試合でAが勝つ確率は0.4=2/5です。

よって、Aが1勝2敗となる確率は

3C1・(2/5)1・(1-2/5)254/125・・・(答)となります。

(3)コインを6回投げたとき、表がr回出たとします。

すると、点Pの位置=1・r+(-1)・(6-r)=2r-6で表すことができますね。

点Pの位置が原点のとき、2r-6=0より、r=3です。

よって、点Pが原点にあるのは6回のうち表が3回、裏が3回出たときとなります。

よって求める確率は6C3・(1/2)3・(1/2)35/16・・・(答)となります。

いかがでしたか?今回は反復試行の確率とは何かについて解説していきました。

反復試行の確率は独立な試行と一緒に学習することで理解が深まりますので、ぜひ両方とも理解できるまで繰り返し学習しましょう。

本記事の執筆者
アツシ

早稲田大学教育学部数学科を卒業しており、数学に関して深い知見があります。大学生時代は家庭教師や塾講師のアルバイトで高校生に数学を教えていたため、数学をわかりやすく解説することには自信があります。

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