二次方程式を解くとき、係数に分数や小数、ルートが含まれていたらどうやってその二次方程式を解けば良いのかわからなくってしまう人もいるのではないでしょうか?
しかし、二次方程式に分数や小数、ルートが含まれていても対処方法をしっかりと理解していれば問題なく解くことができます。
そこで今回は、早稲田大学教育学部数学科を卒業した筆者が二次方程式に分数や小数・ルートがある場合の計算方法を解説していきます。
数学が苦手な人でも理解できるようにわかりやすく解説しているので、ぜひ最後までお読みください。
※二次方程式とは何かについて解説した記事もご用意しているので、ぜひ参考にしてください。
二次方程式に分数がある場合の計算
まずは二次方程式に分数がある場合の計算方法から解説します。
以下を例題として解説していきます。
【例題】
二次方程式1/2x2+1/3x-1/6=0を解きなさい。
【解答&解説】
x2の係数が1/2、xの係数が1/3、定数項が-1/6ですね。
※係数、定数項の意味がわからない人は多項式の定義について解説した記事をご覧ください。
二次方程式に分数が含まれている場合は、両辺にとある数をかけて、その分数を消去することを考えます。
今回は分数が1/2、1/3、-1/6なので、それぞれの分数の分母である2、3、6の最小公倍数である6をかければ分数を消去することができますね。
なので、1/2x2+1/3x-1/6=0の両辺に6をかけて、3x2+2x-1=0とします。
3x2+2x-1を因数分解すると(3x-1)(x+1)となるので、x=-1、1/3・・・(答)となります。
※因数分解のやり方がわからない人は数学1の因数分解について解説した記事をご覧ください。
以上が二次方程式に分数がある場合の計算方法となります。
分母の最小公倍数を考えて、分数を消去することを意識しましょう。
二次方程式に小数がある場合の計算
二次方程式に小数がある場合も分数のときと考え方は同じです。
係数を整数にすることを考えましょう。では、例題で解説していきます。
【例題】
二次方程式0.01x2+0.5x+6=0を解きなさい。
【解答&解説】
x2の係数が0.01、xの係数が0.5ですね。
なので、0.01x2+0.5x+6を100倍すれば小数が消去できそうです。
0.01x2+0.5x+6=0の両辺を100倍すると、x2+50x+600=0となりますね。
x2+50x+600=(x+20)(x+30)より、x=-30、-20・・・(答)となります。
二次方程式に小数がある場合は、小数点以下が最も多い小数に注目し、それを何倍すれば小数点が消えるか?を考えましょう。
今回の場合だと、小数点以下が最も多い小数はx2の係数である0.01でした。なので、二次方程式の両辺を100倍して小数点を消去しました。
二次方程式にルートがある場合の計算
では、二次方程式にルートがある場合はどうすればよいでしょうか?
結論から申しますと、解の公式を使うのが一般的です。では、例題をみてみましょう。
【例題1】
二次方程式x2+√5x+1=0を解きなさい。
【解答&解説】
x2+√5x+1は因数分解できそうにありませんね。
なので、解の公式を使って二次方程式を解きましょう。すると、
x = -√5±√{(√5)2-4×1×1}/ 2×1 = (-√5±1)/2・・・(答)となりますね。
※解の公式とは何かについて解説した記事もご用意しているので、ぜひ参考にしてください。
では、もう1つ例題を解いてみましょう。
【例題2】
二次方程式√3x2-4x-2=0を解きなさい。
【解答&解説】
今度はx2の係数がルートになっています。
こちらも解の公式を使って解きましょう。今回はxの係数が-4で偶数なので、
x = 2±√{(-2)2-√3×(-2)} / √3 = 2±√{4+2√3} / √3・・・①となりますね。
√{4+2√3}が二重根号になっているので、二重根号を外して、√3+1とします。
よって、①=2±(√3+1) / √3となるので、答えは√3+1、√3-3 / 3・・・(答)となります。
※二重根号の外し方は高校によっては学習しないところもありますので本記事では割愛させていただきます。
二次方程式にルートがある場合、基本的には解の公式を使って解くことをしっかり頭に入れておきましょう。
二次方程式に分数や小数・ルートがある場合の練習問題
最後に二次方程式に分数や小数・ルートがある場合の練習問題をご用意しました。
上記で解説したことを意識して問題を解いてみましょう。
【練習問題】
以下の二次方程式を解きなさい。
(1)1/20x2+1/4x+3/10=0
(2)0.5x2+1.7x+0.6=0
(3)x2-√7x+1=0
【解答&解説】
(1)x2の係数、xの係数、定数項の分数の分母がそれぞれ、20、4、10なので最小公倍数である20を両辺にかけて、x2+5x+6=0とします。
x2+5x+6を因数分解すると、(x+2)(x+3)なのでx=-3、-2・・・(答)となります。
(2)両辺を10倍すれば小数点が消去できますね。両辺に10をかけると、
5x2+17x+6=0となり、5x2+17x+6を因数分解すると(5x+2)(x+3)となるので、x=-3、-2/5・・・(答)となります。
(3)二次方程式にルートがあるので、解の公式を使いましょう。
x = √7±√(-√7)2-4×1×1 / 2×1 = (√7±√3)/2・・・(答)となります。
いかがでしたか?今回は二次方程式に分数や小数・ルートがある場合の計算方法について解説しました。まとめると、
- 分数のとき=分母を消去する
- 小数のとき=小数点を消去する
- ルートのとき=解の公式を使う
となります。ぜひ意識して二次方程式を解いてみてください。