余事象とは?確率の求め方や見分け方をを例題でわかりやすく解説

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数学Aの確率において余事象は非常に重要な用語の1つです。

余事象は大学入試や共通テストでも頻出なので、対策は必須となります。

本記事では早稲田大学教育学部数学科を卒業した筆者が余事象とは何かについて解説した後、余事象を使う問題の見分け方や余事象を使った確率の求め方についてわかりやすく解説していきます。

ぜひ最後までお読みいただき、余事象をマスターしてください。

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余事象とは?簡単に解説!

早速、余事象とは何かについて解説していきます。

事象Aに対して、Aが起こらないという事象をAの余事象といい、Aで表します。

余事象の確率P(A)=1-P(A)で求めることができます。

※確率における事象の意味がわからない人は同様に確からしいとは何かについて解説した記事をご覧ください。

これだけだと余事象が理解できない人も多いかと思いますので、以下からは簡単な例で余事象を解説していきます。

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余事象の例題と見分け方

では、余事象を使った確率の問題の例題を1問解いてみましょう。

【例題】

15個の部品があり、その中に2個の不良品が含まれている。この15個の部品の中から同時に3個を取り出すとき、少なくとも1個は不良品が含まれる確率を求めよ。

【解答&解説】

以上の例題は余事象を使った確率の超基本問題となるので、必ず解けるようにしておきましょう。

まず、15個の中から3個を取り出す場合の総数は15C3=35[通り]ですね。

※Cの計算方法がわからない人は組み合わせCの計算と公式について解説した記事をご覧ください。

そして、事象A=「少なくとも1個は不良品が含まれる確率」とすると、余事象A=「3個とも不良品ではない」となりますね。

不良品2個を除いた13個から3個を取り出す場合の総数は13C3=22[通り]です。

P(A)=1-P(A)より、P(A)=1-P(A)なので、求める確率は、1-22/35=13/35・・・(答)となります。

確率の問題があるとき、問題文に「少なくとも」という言葉が出てきたら余事象を疑う癖を付けましょう。「少なくとも」があるかどうかが余事象を見分ける最大のポイントとなります。

【余事象を使わずに検算】

以上の例題を余事象を使って解きましたが、検算として余事象を使わずに解いてみます。

不良品は2個しかないので、少なくとも1個の不良品が含まれるということは不良品が1個または2個の場合ですね。

  • 不良品が1個の場合の確率=(2C113C2)/15C3・・・①
  • 不良品が2個の場合の確率=(2C213C1)/15C3・・・②

ですね。①と②は互いに排反なので、和事象より、①+②=13/35となり、余事象を使って求めた答えと確かに一致していることが確認できます。

※和事象がわからない人は積事象・和事象とは何かについて解説した記事をご覧ください。

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余事象の練習問題

余事象とは何かと余事象の見分け方が理解できたところで、ここからは余事象の練習問題を3問ご紹介します。

本記事の練習問題以外でも、教科書や参考書などでたくさんの問題を解いて余事象に慣れていきましょう。

【練習問題】

(1)2個のサイコロを同時に投げるとき、少なくとも1個は6の目が出る確率を求めよ。

(2)赤玉4個と青玉6個が入っている箱から同時に4個の玉を取り出すとき、取り出した4個のうち少なくとも2個が赤玉である確率を求めよ。

(3)5回に1回の割合で忘れ物をしてしまう小学生のK君が公園A・B・Cの順番で遊んだ後、家に帰宅したとき、どこかの公園に忘れ物をしてしまった確率を求めよ。

【解答&解説】

(1)少なくとも1個は6の目が出る確率=1-(2個とも6以外の目が出る確率)ですね。

2個とも6以外の目が出る確率=5/6・5/6=25/36より、求める確率は1-25/36=11/36・・・(答)となります。

これは余事象の基本的な問題なので、ぜひとも正解しておきたい問題です。

サイコロの確率の計算・求め方について詳しく解説した記事もご用意しているので、ぜひご覧ください。

(2)「少なくとも」という記載が問題文にしっかりとあるので余事象を使います。

玉は全部で10個あり、その中から4個を取り出すので、玉の取り出し方の総数=10C4[通り]ですね。

少なくとも2個が赤玉である場合の余事象、つまり赤玉が1個以下となる確率を求めていきます。

[1]青玉=4個の場合(赤玉=0個)

6C4 / 10C4 =15/210

[2]赤玉=1個、青玉=3個の場合

4C16C3)/ 10C4=80/210

[1]と[2]は互いに排反なので、求める確率は1-(15/210+80/210)=23/42・・・(答)となります。

(3)今回は問題文に「少なくとも」という記載はありませんが、この問題も余事象を使って解くことができます。

どこかの公園に忘れ物をしてしまった確率=1-(どこの公園にも忘れ物をしなかった確率)となりますね。

どこの公園にも忘れ物をしなかった確率=(4/5)3=64/125なので、求める確率は1-64/125=61/125・・・(答)となります。

今回は余事象とは何かについて解説した後、余事象の例題や見分け方、練習問題をご紹介していきました。

余事象は大学入試や共通テストでも頻出です。学習優先度はかなり高いので、必ずできるようにしておきましょう。

本記事の執筆者
アツシ

早稲田大学教育学部数学科を卒業しており、数学に関して深い知見があります。大学生時代は家庭教師や塾講師のアルバイトで高校生に数学を教えていたため、数学をわかりやすく解説することには自信があります。

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