中学数学で比例について学び始めると比例定数という言葉が登場していきます。
比例定数は中学数学の中でもかなり重要な用語なので必ず意味を理解しておきましょう。
本記事では早稲田大学教育学部数学科を卒業した筆者が比例定数とは何かについて例題を使いながらわかりやすく解説していきます。
さらには比例定数の求め方や反比例のときの比例定数など必ず知っておきたい事柄についても合わせて解説していきます。
比例定数とは?例でわかりやすく解説
では早速、比例定数とは何かについて例で解説していきます。
例えば、1個150円のりんごをx個買ったときの代金をy円とすると、y=150xと表すことができますね。
このように、y=axの関係が成り立つとき、yはxに比例するというのでした(詳しくは比例とは何かについて解説した記事をご覧ください)
※xとyは変数というのでした。詳しくは変数とは何かについて解説した記事をご覧ください。
そして、このときのaのことを比例定数といいます。比例定数は「ひれいていすう」と読みます。
つまり、上記のy=150xの比例定数は150となるわけです。
比例定数の求め方
ここからは以下の例題で比例定数の求め方について解説していきます。
【例題】
(1)30km/時で走行する車がx[時間]に進む距離をy[km]としたときの比例定数を求めよ。
(2)yはxに比例しx=5のとき、y=30である。このとき、比例定数を求めよ。
【解答&解説】
(1)比例定数の求め方ですが、比例定数はy=axの形を作ることができれば一発で求まります(比例定数=aなので)
したがって、比例定数を求める場合はy=axの形を作ることに注力しましょう。
距離=速度×時間でしたね。よってy=30xとなるので、比例定数=30・・・(答)となります。
(2)y=axにx=5、y=30を代入しましょう。
すると、30=5aとなりますね。よって、a=6となります。
※文字が含まれた計算方法について解説した記事もぜひ合わせてご覧ください。
つまり、y=6xです。したがって比例定数=6・・・(答)となります。
比例定数は負の数の場合もある
上記でご紹介した比例定数はすべて正の数でしたが、比例定数は負の数でも問題ありません。
※正の数・負の数とは何かについて解説した記事もぜひ参考にしてください。
なので、例えばy=-10xの比例定数は-10となりますし、y=-53xの比例定数は-53となります。
また、文字は必ずしもxとyである必要はありません。
例えばa=5bという式があったとき、aはbの関数とみなすことができるので比例定数=5となります。
比例定数と反比例
以上では比例における比例定数とは何か・求め方について解説しましたが、反比例も関数の1つなので比例定数が存在します。
反比例とはyがxの関数であるとき、xの値が2倍、3倍、4倍・・・となるとyの値が1/2、1/3、1/4・・・となることでした。
そして、反比例の式はy=a/xと表すことができるのでした。
このとき、反比例における比例定数はaとなります。
例えば、反比例の式y=10/xにおける比例定数は10となります。
反比例の比例定数も比例のときと同じく負の数でも問題ありません。
例えば、反比例の式y=-5/xにおける比例定数は-5となります。
また、文字もxとyである必要はありません。
例えばa=7/bという反比例の式があったとき、aはbの関数とみなすことができるので比例定数=7となります。
※反比例について詳しく解説した記事もぜひ合わせてご覧ください。
比例定数と傾き・変化の割合は同じ?
※これは中学2年生で学習する内容なので、中学1年生は飛ばしていただいて問題ありません。
中学2年生になると、y=ax+bという一次関数の学習をします。
※一次関数とは何かについて解説した記事もぜひ合わせてご覧ください。
そして、y=ax+bにおいてaのことを傾きまたは変化の割合というのでした。
また、y=ax+bにおいてb=0としたときにy=axとなるので、y=axにおいてもaは傾きまたは変化の割合といいます。
つまり、一次関数y=ax+bにおいては比例定数=傾き=変化の割合となります。
ただし、二次関数や反比例の場合は比例定数=傾き=変化の割合にはなりませんのでご注意ください。
比例定数に関する練習問題
最後に比例定数に関する練習問題をご用意したので解いてみましょう。
本記事で解説したことがしっかり頭に入っていれば問題なく解けるはずです。
【問題】
(1)yがxに比例し、x=4のときy=60である。このときの比例定数を求めなさい。
(2)yがxに反比例し、x=2のときy=9である。このときの比例定数を求めなさい。
【解答&解説】
(1)yがxに比例するので、y=axとおいてみましょう。
x=4のときy=60なので、これをy=axに代入して60=4aとなります。
よって、a=15です。したがって、比例定数=15・・・(答)となります。
(2)yがxに反比例するので、y=a/xとおいてみましょう。
x=2のときy=9なので、これをy=a/xに代入して、9=a/2となります。
a=18となるので、比例定数=18・・・(答)となります。
いかがでしたか?今回は比例定数とは何か・比例定数の求め方や反比例における比例定数などについて解説していきました。
比例定数はこの先の数学の学習でも必ず登場するので、しっかりと理解しておきましょう。