左辺と右辺は小学校でも登場しましたが、中学数学の教科書では小学校の算数の復習として左辺と右辺について改めて解説している場合があります。
なので、本記事でも念のため左辺と右辺とは何かについて改めて取り上げます。
本記事では早稲田大学教育学部数学科を卒業した筆者が左辺と右辺とは何かについて解説した後、左辺と右辺が等しいことを示すにはどうしたら良いかなど?左辺と右辺について必ず知っておくべきことを例題でわかりやすく解説していきます。
左辺と右辺は数学の基礎知識の1つなので必ず頭に入れておきましょう。
左辺・右辺・両辺とは?
では早速、左辺・右辺・両辺とは何かについて解説していきます。
まず、AとBが等しいことを記号「=(イコール)」を使ってA=Bと表現したものを等式というのでした。
※詳しくは等式とは何かについて解説した記事をご覧ください。
例えば、1個100円のりんごをa個と1個80円のみかんをb個購入したときの料金が460円だった場合、100a+80b=460という等式で表すことができます。
※100×a=100aと表すのでした。詳しくは文字と式について解説した記事をご覧ください。
そして、等式において「=」の左側にある式を左辺、右側にある式を右辺といいます。
100a+80b=460の場合、100a+80bが左辺、460が右辺となります。
そして、左辺と右辺を合わせて両辺といいます。
以上が左辺・右辺・両辺とは何かについての解説となります。内容はそこまで難しいものではなかったかと思います。
左辺と右辺は逆でも良い
先ほど左辺と右辺の例として100a+80b=460がありましたが、左辺と右辺を逆にして460=100a+80bとしても意味は同じです。
等式は先ほども解説した通り「=」で結ばれた式であり、左辺=右辺が成立しているからです。
以上をもとに1つ例題を見てみましょう。
【例題】
「aの5倍に3を加えたものはbと等しい」を等式を使って表しなさい。
【解答&解説】
a×5+3=bより、答えは5a+3=bとなります。
しかし、先ほども解説した通り等式においては左辺と右辺は逆でも良いので、b=5a+3としても問題はありません。
左辺と右辺は単位をそろえる
等式においては、左辺と右辺は単位をそろえる必要がありますのでご注意ください。
以下の例題を解いてみましょう。
【例題】
「a時間b分はc分である」を等式を使って表現しなさい。
【解答&解説】
文字をそのまま並べてa時間b分=cなどとしてはいけません。
cの単位は[分]なので、単位を[分]にそろえる場合はa時間b分を分表記にする必要があります。
1時間=60分なので、a時間=60a分となります。それにb分を加えたものがc分なので、答えは60a+b=cとなります。
左辺と右辺の単位をそろえるのを忘れてしまう人が多くいるので、ぜひご注意ください。
左辺と右辺の移行
移項とは項を左辺から右辺に、または右辺から左辺に移動させることです。
例えば、x-2=4という等式があるとします。
このとき、左辺と右辺両方に2を加えるとどうなるでしょうか?
x-2+2=4+2となり、x=6となりますね。
左辺にあった-2が右辺に+2となって移ったように見えますね。これを移行といいます。
左辺にある項を右辺に、右辺にある項を左辺に符号を変えて移すことができるのです。
移行するときは、符号を変えるのを必ず忘れないようにしてください。
左辺と右辺が等しいことを示すには?
左辺と右辺が等しいことを示すには左辺の値と右辺の値が等しくなっていることを示してももちろんOKですが、左辺-右辺=0または右辺-左辺=0になることを示しても問題ありません。
例えば、6+4=2+8において左辺=右辺が等しいことを示してみます。
左辺=6+4=10です。右辺=2+8=10です。よって左辺=右辺が示せます。
では、左辺-右辺を考えた場合はどうなるでしょうか?
右辺を左辺に移行すると、6+4-2-8=0となります。よって左辺=右辺を示すことができました。
左辺と右辺が等しいことを示すために、左辺-右辺=0または右辺-左辺=0を考えるというテクニックはこの先も登場するので必ず頭に入れておきましょう。
いかがでしたか?今回は左辺と右辺とは何か?や左辺と右辺が等しいことを示すにはどうすれば良いかなどについて解説しました。
左辺・右辺は数学の基礎用語の1つなので、必ず理解しておきましょう。