等式は小学校の算数でもすでに登場していますが、等式という言葉が登場するのは中学数学に入ってからです。
後ほど詳しく解説しますが、等式とは「=(イコール)」で結ばれた式のことです。全然難しい話ではないのでご安心ください。
等式は中学数学のみならず、この先の高校数学でも必ず登場するのでしっかりと頭に入れておきましょう。
本記事では早稲田大学教育学部数学を卒業した筆者が等式とは何かについて解説した後、等式の性質や変形方法・解き方、等式に分数が含まれるケースなどを徹底解説していきます。
最後には等式に関する練習問題もご用意しているので、ぜひ最後までご覧ください。
等式とは?わかりやすく解説
AとBが等しいことを記号「=(イコール)」を使ってA=Bと表現したものを等式といいます。
ちなみにですが、Aのことを左辺・Bのことを右辺というのでした。
※詳しくは左辺・右辺とは何かについて解説した記事をご覧ください。
例として「1本80円の鉛筆をa本と1個120円の消しゴムをb個買ったときの代金が640円だった」を等式を使って表現してみると、80a+120b=640となります。
※80×a=80aと記載するのでした。詳しくは文字と式について解説した記事をご覧ください。
等式は左辺と右辺を入れ替えても問題ありません。
つまり、80a+120b=640は640=80a+120bとしても同じ意味になります。
また、等式では単位はつけませんのでご注意ください。
等式の性質4つ
ここからは等式の性質を4つご紹介していきます。
まず1つ目の性質はA=Bならば、A+C=B+Cです。
これは等式の両辺に同じ数を加えても等式は成り立つということです。割と当たり前のことなので特別意識する必要はないでしょう。
2つ目の性質はA=Bならば、A-C=B-Cです。
これは両辺から同じ数を引いても等式は成り立つということです。
3つ目の性質はA=Bならば、AC=BCです。
両辺に同じ数を掛けても等式は成り立ちます。
最後の性質はA=Bならば、A/C=B/Cです(ただし、C≠0とする)
両辺を0ではない同じ数で割っても等式は成り立ちます。C≠0はCが0ではないことを意味しています。
等式の変形方法・解き方
以上4つの等式の性質を理解していると等式を変形することができます。
例として、以下の問題を解いてみましょう。
【例題】
以下の等式が成り立つとき、aの値を求めなさい。
(1)a+5=8
(2)4a=-12
【解答&解説】
(1)A=Bならば、A-C=B-Cなので、両辺から5を引いてみましょう。
すると、a+5-5=8-5となるので、a=3・・・(答)が求まります。
今回は左辺にある+5をなくすために両辺から5を引きましたが、これによって左辺にあった+5が右辺に-5となって移動したように見えますね。これを移行といいます。
移行を行うことによって等式を変形することが可能になります。
(2)A=Bならば、A/C=B/Cなので、両辺を4で割ってみましょう。
すると、a=-12÷4=-3・・・(答)が求まります。
これも左辺にある4をなくすために両辺を4で割っています。4で割ることによって4a=-12という等式をa=-3という等式に変形することができました。
ちなみにですが、以上のように文字の最高次数が1である方程式のことを一次方程式といいます。次数が何かわからない人は多項式の定義について解説した記事をご覧ください。
また、一次方程式について詳しく解説した記事もご用意しているので、ぜひ合わせて参考にしてください。
等式に分数がある場合
では、等式に分数がある場合はどうすれば良いでしょうか?
例として以下の例題を解いてみましょう。
【例題】
等式5a+1/5=50が成り立つとき、aの値を求めなさい。
【解答&解説】
等式の性質3つ目であるA=Bならば、AC=BCを使いましょう。
今回は1/5という分数があるので、これを整数にすることを考えます。
分数を整数にするには分母に注目します。両辺に5をかけてみましょう。
すると、5×5a+1=50×5となるので、25a=250となりますね。
A=Bならば、A/C=B/Cでしたので、a=250÷25=10・・・(答)となります。
等式に分数がある場合も焦らずに分母を消すにはどうしたらいいか?を考えましょう。
等式に小数がある場合
次は等式に小数がある場合について考えてみます。では、例題を解いてみましょう。
【例題】
等式1.5a+75=5.5が成り立つとき、aの値を求めなさい。
【解答&解説】
今回もA=Bならば、AC=BCを使いましょう。小数として1.5と5.5があるので、両辺を10倍すれば小数点を消すことができそうですね。
両辺を10倍すると、15a+750=55となりますね。
A=Bならば、A-C=B-Cなので、両辺から750を引きましょう。
すると、15a=55-750=-695となりますね。
そして、A=Bならば、A/C=B/Cなので、両辺を15で割ってみましょう。
すると、a=-695÷15=-139/3・・・(答)となります。
等式に小数が含まれている場合は、何をかければ小数点を消すことができるか?を意識してみてください。
不等式とは?
最後に等式の一種である不等式とは何かについて解説します。
不等式とは2つの数量の大小関係を不等号を使って表現した式のことです。
不等号とは2つ以上の数字を比較したとき、どちらが大きいか小さいかを示すための記号のことです。
不等号の記号は「<」「>」「≦」「≧」の4つがあります。
※詳しくは不等号の意味や読み方について解説した記事をご覧ください。
例えば、aよりもbの方が大きいことはa<bと表現します。
等式に関する練習問題
最後に等式に関する練習問題を解いてみましょう。
上記で解説した内容がしっかり理解できていれば全問正解できるはずです。
【問題】
(1)「1個x円の果物を5個買い、2000円出したらお釣りがyだった」を等式で表しなさい。
(2)「1冊a円の本2冊と、1冊b円の本5冊の合計代金は3000円よりも安かった」を不等式で表しなさい。
(3)x-2=6のとき、xの値を求めよ。
(4)3x=60のとき、xの値を求めよ。
(5)x/2=5のとき、xの値を求めよ。
【解答&解説】
(1)y=2000-5x
(2)2a+5b<3000
(3)x-2=6の両辺に2を足して左辺の2を消しましょう。
すると、x=6+2=8・・・(答)となります。
(4)3x=60の両辺を3で割りましょう。
すると。x=60÷3=20・・・(答)となります。
(5)x/2=5の両辺に2を掛けます。
x=5×2=10・・・(答)となります。
いかがでしたか?今回は等式とは何か・等式の変形方法などについて解説していきました。
等式は数学の基礎知識の1つです。必ず頭に入れておきましょう。